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播州赤穂の近代画人・長安義信

長安義信「文王呂尚図」

長安義信「文王呂尚図」

長安義信(1788-1868)は、幼少のころ大坂で土佐派の画人・佐野龍雲について画を学んだ。40歳の時に法橋に叙され、赤穂に戻って花岳寺の門前に住んだ。土佐派以外にも狩野派、写生画派などさまざまな画風を学んだと思われ、河野鐵兜や藤本鉄石と交遊があった。

地元では別号の「周得さん」で親しまれ、赤穂、岡山などに多数の作品を残している。花岳寺本堂の天井には、昭和37頃に子孫によって奉納された超大作の竹虎図が掲げられている。ほかに赤穂の近世画人として、間文暉(不明-不明)らがいる。

長安義信(1788-1868)ながやす・よしのぶ
天明8年播磨国赤穂(現在の兵庫県赤穂市)生まれ。別号に周得がある。大坂の画人・佐野龍雲に学び、諸派の技法も学んだと思われる。文政10年法橋に叙され、帰郷した。明治元年、81歳で死去した。

兵庫(08)-画人伝・INDEX

文献:神戸・淡路・鳴門 近世の画家たち




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