南画・文人画家

谷文晁「公余探勝図」巻下 第３図（重文）松平定信が近海防衛のため、寛政５年に伊豆・相模方面の沿岸を巡見した時に、同行した谷文晁が描いたもの。西洋的な遠近法をとりいれ、実際の景色を忠実に写すことを主眼と ...

浦上玉堂「山紅於染図」重文 岡山藩の支藩・鴨方藩士の子として岡山城下に生まれた浦上玉堂（1745-1820）は、藩務のかたわら、儒学や医学・薬学といった学術、詩作や七絃琴といった芸術の分野にも関心を示 ...

服部五老「青緑山水図」山形美術館蔵 鶴岡に生まれた服部五老は、京都で田能村直入に師事し、日本南画院の同人として活躍した。全盛時は、橋本関雪、竹内栖鳳らと並び称され、画の注文が殺到したという。豪壮な邸宅 ...

阿部曽岳「羅浮仙図」 明治期の寒河江地方の日本画家の源流をたどると、長崎南画の鉄翁祖門に行きつく画系がある。その始まりは、小泉の長泉寺十一世住職の土田鉄船（1812-1879）で、長崎まで行って鉄翁に ...

小松雲涯「山水図」 中山町の農家に生まれた小松雲涯は、幼いころから画を好み、１４、５歳で画家を目指すようになった。はじめ同郷の服部武陵に画技を学び、のちに江戸に出て春木南溟に師事した。明治２０年、５６ ...

菅原白龍「山水図」山形美術館蔵 現在の長井市に生まれた菅原白龍は、９歳頃から『北斎漫画』を見て独学し、１１歳の時に初めて長沼月峰、渡辺玄渓について南画を学んだ。その後家出して江戸に行き熊坂適山に師事、 ...

（右隻） （左隻）細谷風翁「風竹風菊図屏風」山寺芭蕉記念館蔵 幕末から明治初期にかけて山形の文化の指導的役割を果たした細谷風翁は、山形市にあった真言宗宝幢寺の寺待宮城家に生まれ、十日町の医師・細谷玄琳 ...

左：伊東梅月「蓬莱之図」、右：佐藤梅宇「孔子像」 庄内藩では、藩の絵師のほかに絵をたしなむ藩士が多かった。石井子龍は、絵を同藩の氏家龍渓に学び、のちに藩医で書家でもあった重田道樹に学んだ。生涯酒を好ん ...

左：増田九木「良寛図」、右：増田象江「男鹿飛島眺望図」 由利・本荘地方は、本荘狩野といわれる独自の絵画圏をつくり、狩野派が大きな勢力を持っていたが、谷文晁系の南画を学んだ増田九木は、長い旅の末に広く画 ...

菅井梅関「梅図」 仙台城下に生まれた菅井梅関は、早くから画才を発揮し、長じて仙台来訪中の画家・根本常南に師事して本格的に画の修業を始めた。その後は、家業を弟にまかせて、瑞鳳寺の僧・南山古梁をめぐる文化 ...

大原呑響「渓山帰樵図」賛は菅茶山 大原呑響（1761頃-1810）は、北方問題に生涯を捧げた儒者であり、画人としても優れた作品を残し、蠣崎波響や大原呑舟らを育てている。画において特定の師はいなかったよ ...

八重樫豊澤「豊干禅師図」 小野寺周徳（1759-1814）、橋本雪蕉（1802-1877）とともに「花巻の三画人」に数えられる八重樫豊澤（1763-1842）は、花巻の寺小屋師匠の家に生まれた。父の善 ...

小野寺周徳「桃仙人図」 盛岡についで繁栄した花巻では、画業も盛んであり、その礎を築いたのは小野寺周徳（1759-1814）とされる。花巻の医師の家に生まれた周徳は、江戸に出て医学の修業中に谷文晁に学ん ...

左：田鎖鶴立斎「賓度羅跋囉情闍尊者図」右：本堂蘭室「賓度羅跋囉情闍尊者図」 盛岡藩では、江戸中期以降、狩野派に属さない絵師たちが、江戸や京都で芽生えた新しい画風を学び、帰郷後は藩内でも制作するようにな ...

橋本雪蕉「竹林閑居」八戸市博物館蔵 岩手県花巻の呉服商の家に生まれた橋本雪蕉（1802-1877）は、少年時代に花巻の寺小屋師匠で絵師だった八重樫豊澤に画法を学んだ。師の豊澤は、文人墨客との交わりが広 ...

工藤晴好「登旭日春日遊鴉」 津軽初の本格的な女性絵師とされる工藤晴好（1867-1924）は、はじめ弘前で三上仙年に学び、その後上京して奥原晴湖の塾に入り、晴湖の養女・晴翠に学んだ。奥原晴湖は、明治初 ...