高畠夢蝶(不明-不明)は、江戸後期の福井藩士で、福井藩の居合い師範の家に生まれた。藩の居合術師範をつとめるかたわら諸芸をよくし、なかでも狂画をもって知られた。文化12年に福井藩士の井上翼章によって著された「越前国名蹟考」の挿絵を描いている。
掲載の「福井藩十二カ月年中行事絵巻」は、江戸時代における福井藩内の行事と風物を、各々12カ月を1巻に描いた作品で、筆者は不詳だが、夢蝶が描いた「越前国名蹟考」の挿絵の一部と図様・筆致ともに近似していることから、夢蝶により描かれた可能性が高いとされている。
高畠夢蝶(不明-不明)たかばたけ・むちょう
福井藩居合術師範。名は信喬、通称は甚五左衛門。別号に悟則斎がある。天明7年家督を相続し、また文化元年に高畑を高畠に改めた。
福井(14)-画人伝・INDEX
文献:桃山の色 江戸の彩 福井ゆかりの近世絵画、越前人物志(上)