-
近世日本の篆刻界で「印聖」と称された高芙蓉
2021/7/5
高芙蓉「静釣図」山梨県立美術館蔵 日本の篆刻は、明王朝滅亡に際して中国から亡命した黄檗禅僧によってもたらされ、17世紀中期以後に長崎に渡来した独立性易、東皐心越を祖に形成されたとされる。装飾的な技巧を ...
-
甲府城主となった幕府の大老格・柳沢吉保
2021/7/5
柳沢吉里筆、柳沢吉保賛「寒山拾得図」公益財団法人郡山城史跡・柳沢文庫保存会蔵 甲斐国は、天正10(1582)年の武田氏滅亡後は、織田・豊臣期を経て、江戸時代には徳川家の領有となり、幕府の直轄あるいは甲 ...
-
田崎草雲に学び伝統的南画を描いた岸浪柳渓
2021/7/5
岸浪柳渓「陶淵明帰去来・弾琴図」 岸浪柳渓(1855-1935)は、仙台藩士の医師・岩浪広盟(謙輔)の三男として、江戸下谷に生まれた。幼いころ、風疹と麻疹のため聴力を失った。10歳の時から5年間を仙台 ...
-
農閑期に信州渋温泉に通い児玉果亭に師事した青柳琴僊
2021/7/5
青柳琴僊「十六羅漢図」嶽林寺蔵 青柳琴僊(1867-1962)は、月夜野(現在の群馬県利根郡みなかみ町)の農家の長男として生まれた。6歳頃から父について読書、算術を学び、10歳頃から絵を描きはじめ、1 ...
-
南画を描きながら足利の青年たちに漢学を教えた牧島閑雲
2021/7/6
左:牧島閑雲「孔子像」右:牧島閑雲「鍾馗之図」 牧島閑雲(1851-1942)は、栃木県梁田郡梁田宿(現在の足利市梁田町)に生まれ、9歳頃から館林藩の儒臣・田中泥斎に漢学を学んだ。22歳の時に田崎草雲 ...
-
谷文晁ら江戸の文人と交流し多彩な画事を展開した小泉斐
2021/7/6
左:小泉斐「月下弾琴図」栃木県立博物館蔵右:小泉斐「唐美人図」栃木県立博物館蔵 下野国益子の神官の子として生まれた小泉斐(1770-1854)は、幼いころから画を好み、11歳で茂木に出店していた近江商 ...
-
伝統と奇想が相克する多彩な画業を展開した反骨の画鬼・河鍋暁斎
2023/9/26
河鍋暁斎「鍾馗ニ鬼図」板橋区立美術館蔵 河鍋暁斎(1831-1889)は、天保2年に下総国古河(現在の茨城県古河市)の城下に生まれ、数え2歳の時に家族とともに江戸に出た。7歳で浮世絵師・歌川国芳のもと ...
-
水戸の三画人に影響を与えた伊勢の画僧・月僊
2021/7/6
月僊「鍾馗図」独庵宗譲賛 水戸市立博物館蔵 水戸の三画人と呼ばれる林十江、立原杏所、萩谷セン喬の3人が、そろって影響を受けたとされるのが、伊勢の画僧・月僊(1741-1809)である。月僊は名古屋に生 ...
-
近世水戸の南蘋派・宮部雲錦と栗田長珉
2021/7/6
宮部雲錦 左:「山水図」、右:「江村帰漁図」 宝暦年間(1751-1764)になると、長崎に来航した沈南蘋が伝えた新しい写実主義が全国的に影響を及ぼし、江戸では宋紫石をはじめとする多くの南蘋派の画家た ...
-
自らを雪舟十二世と称した桜井雪館
2021/7/6
桜井雪館「神農伏義図」(二幅対)水戸市立博物館蔵 磯浜(現在の大洗町)に生まれた桜井雪館(1715-1790)は、雪舟に私淑し、江戸に出て画塾を開き、門弟は2百余人を数えたという。雪館の父・桜井担も画 ...