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二人の広渡心海と肥前武雄の絵師
2021/7/6
肥前武雄では、広渡雪山の弟にあたる初代広渡心海(1596-1685)が、武雄邑主のお抱え絵師として活躍した。心海の没後は、心海に嫡男がいなかったため、女婿の広渡武則に家督を継がせて絵師としたが、武則の ...
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佐賀藩三代藩主・鍋島綱茂とその時代の画人
2021/7/6
肥前佐賀藩三代藩主・鍋島綱茂(1652-1706)は、博学で諸芸に通じ、才智無双の殿様として世人に称嘆されたという。幕府の学問を司っていた林家一門、殊に林鳳岡や人見竹洞と懇意にしており、鳳岡、竹洞の詩 ...
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肥前佐賀藩の絵師たち
2021/7/24
葉山朝湖「楼閣山水図屏風」佐賀県立博物館蔵 肥前佐賀藩においては、初代藩主・鍋島勝茂、三代・綱茂、八代・治茂の代に比較的多くの絵師の名前がみられる。しかし、藩御用絵師の世襲、または門人らによる画風の継 ...
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日本初のユネスコ世界記憶遺産・山本作兵衛の炭坑記録画
2021/7/13
山本作兵衛 筑豊炭田の中心地である嘉穂郡に生まれた山本作兵衛(1892-1984)は、7歳のころから親の手伝いで坑内で働きはじめ、以来50年以上を炭坑労働者としてヤマとともに生きた。当初は高度経済成長 ...
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タイガー立石と筑豊の画家
2021/7/13
タイガー立石「アラモのスフィンクス」 炭鉱で栄えた筑豊地区は、戦中戦後の混乱期に石炭増産に沸き、中央から映画や芝居、漫画といった多くの大衆文化が流入してきた。戦後前衛美術の旗手の一人として活躍したタイ ...
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寺田政明と福岡の異色洋画家
2022/2/21
寺田政明「灯の中の相談」 福岡県八幡市(現北九州市)に生まれた寺田政明(1912-1989)は、16歳で上京、福沢一郎や松本竣介らと前衛美術運動を展開し、池袋モンパルナスの中心人物として活躍した。田川 ...
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自己の信じる写実に徹した高島野十郎
2021/7/14
高島野十郎「蝋燭」 久留米生まれの高島野十郎(1890-1975)は、昭和50年に85歳で没するまで、どの団体にも属さず、福岡と東京で開いた数少ない個展を唯一の発表の場とした。「画壇と全く無縁になる事 ...
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上田宇三郎と福岡の異色日本画家
2021/7/14
上田宇三郎「水」 戦後の福岡での最初の美術運動といわれる「朱貌社」は、洋画家の宇治山哲平、赤星孝、山田栄二と、日本画家の上田宇三郎(1912-1964)、久野大正(1913-1987)によって、昭和2 ...
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児島善三郎と福岡の独立美術協会
2023/9/28
児島善三郎「代々木の原」 日本の自然風景を装飾化、様式化することによって「児島様式」と呼ばれる日本的洋画を完成させた児島善三郎(1893-1962)は、昭和5年二科会を脱退し、日本のフォビスムを旗印に ...
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古賀春江と福岡の二科会
2023/9/28
古賀春江「埋葬」 大正3年、文部省展覧会から分離して、在野の洋画団体として二科会が誕生した。その創立会員に久留米出身の坂本繁二郎が名を連ねていた関係で、坂本を慕う同郷の若い画家たちの多くが二科会に参加 ...