
岩佐派「桜下弾弦図屏風」出光美術館蔵
岩佐派は、近世初期にその奇想な画風でやまと絵系とくに風俗画の分野において注目すべき業績を残した。初代の又兵衛、2代の勝重、3代の陽雲以下、家系としても明瞭に記録されているが、その詳細な動向は的確につかめていない。
岩佐派の特色は、やまと絵の伝統を踏まえつつ、当時の都市風俗や庶民生活を生き生きと描いた点で、武家や公家のための障壁画を多く手掛けた狩野派とは異なり、町人文化の拡がりを背景に、物語性豊かな絵巻や屏風絵を制作した。大規模な画派には発展しなかったが、その表現はのちの浮世絵や風俗画の展開に影響を与えた。
岩佐派による美人遊興図は、初代又兵衛による人物表現の特徴をそなえた数例の存在が知られている。なかでも「桜下弾弦図屏風」(掲載作品)は、濃厚な装飾表現を試みており、ぬらぬらと梢をのばす樹木の表現を含め、又兵衛の「浄瑠璃物語絵巻」の装飾感覚を受け継ぎ、それを増殖させたような描写となっている。
岩佐又兵衛(1578-1650)いわさ・またべえ
→風俗画の分野に新境地を開き、浮世絵の開祖と称された岩佐又兵衛
岩佐勝重(不明-1673)いわさ・かつしげ
岩佐陽雲(初代)(不明-1708)いわさ・よううん
→父又兵衛の跡を継ぎ福井藩につかえた岩佐勝重
京都(71)-画人伝・INDEX
文献:日本絵画名作101選、近世やまと絵50選、日本美術絵画全集・第13巻、岩佐又兵衛 浮世絵の開祖が描いた奇想







