図譜

森野藤助『松山本草』の一部 森野藤助（1690-1767）は、大和国宇陀郡松山（現在の奈良県宇陀市）の葛粉製造業の家に生まれた。大和国で採薬を行なう幕府採薬使・植村政勝を案内する薬草見習の一人となり、 ...

土岡春郊『鳥類写生図譜』より「かうらいうぐひす」 福井県王子保村（現在の越前市）に生まれた土岡春郊（1891-1959）は、武生中学時代から画才を認められ、中学卒業後は東京美術学校日本画科に進学し、結 ...

『本草通串証図』 山下守胤（1786-1869）は、富山城下平吹町の富山藩御用の染物紺屋の山下屋に生まれた。幼いころから画を好み、家業を継がずに森探玉斎について画を学び、のちに江戸に出て狩野派の画法を ...

恩田緑蔭「写生集壱」 恩田緑蔭（1819-1874）は、松代藩で活動した女性画家で、松代藩士・四代恩田織部（恩田民正）の長女として生まれた。恩田織部の家は、代々二百石を継承する比較的裕福な家で、初代の ...

『菅江真澄遊覧記』5-18 牡鹿の寒風（文化７年７月から翌正月までの日記）この日記には、男鹿大地震の様子が記録されている。正月は宮沢（若美町）で迎え、なまはげの様子を説明している。 三河国で生まれた菅 ...

堀田禽譜のうち「朝鮮おしどり」 提供：東京国立博物館 仙台藩六代藩主・伊達宗村の八男として仙台に生まれた堀田正敦は、近江の堅田藩主・堀田正富の養子となり、その後佐野に国替えとなり、佐野藩主をつとめた。 ...

佐藤醇吉「那須産変形菌類図説№8」国立科学博物館蔵 岩手県大東町に生まれた佐藤醇吉（1876-1958）は、一関の小学校代用教員をつとめたのち上京、明治美術会の松岡寿に師事した。明治３１年に東京美術学 ...

舞田屋理作「南部絵暦」 江戸時代から盛岡藩内で作られていた南部絵暦は、文字が読めない人でもわかるように、農具、生活用具、十二支中の動物の絵などを使って構成した暦で、田山暦と盛岡暦がある。歴史的には田山 ...

比良野貞彦「人体解剖図」 藩のお抱え絵師のほか、藩士のなかにも絵師として活動するものがおり、その最初の人物としてあげられるのが、比良野貞彦（不明-1798）である。それより少し前に建部綾足もいたが、綾 ...

松浦武四郎『蝦夷漫画』札幌市中央図書館蔵 伊勢国に生まれた松浦武四郎（1818-1888）は、幼いころから旅にあこがれ、１６歳の時にひとりで江戸まで歩いて旅をし、１７歳からは全国各地を旅するようになっ ...

小林豊章画、桂川甫周写「蝦夷草木図」国立国会図書館蔵 アイヌ風俗の記録としては、絵師によるアイヌ絵だけではなく、菅江真澄のように旅行者が旅先の光景を描き留めたり、蝦夷地を訪れて「蝦夷草木図」を著した小 ...

「成形図説」挿画は谷山洞龍の作とされる 薩摩の絵師は、江戸に出て木挽町狩野家あるいは鍛冶橋狩野家に学んだものが多かったが、谷山洞龍と山口洞月は例外的に表絵師の駿河台狩野家に学んでいる。いずれも四代目当 ...

賀来飛霞「ヤブラン写生図」 本草学とは、中国医学に付属した薬物学で、薬を自然界から入手する以外に方法がなかった時代に、自然界で何が薬として利用できるのかを研究する学問である。奈良時代以前に中国から伝え ...

山本作兵衛 筑豊炭田の中心地である嘉穂郡に生まれた山本作兵衛（1892-1984）は、７歳のころから親の手伝いで坑内で働きはじめ、以来５０年以上を炭坑労働者としてヤマとともに生きた。当初は高度経済成長 ...