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山本梅逸晩年の有力な門人・青根九江
2023/8/11
青根九江「花鳥図」 青根九江(1804-1854)は、彦根城下の下魚屋町(現在の彦根市城町)で藩主御用の茶屋を営む富商の子として生まれた。分家して山城屋と称して本家の向かいに住んでいたという。いつ頃京 ...
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幕末における円山派を代表する絵師・中島来章
2023/8/4
中島来章「福禄寿花黄鳥図」滋賀県立美術館蔵 中島来章(1796-1871)は、大津または信楽に生まれたと伝わっているが、出生地は定かではない。幼いころから画を好み、9歳の時に画を学ぶため京都に出たとい ...
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幕末の京都画壇で名を馳せた京狩野家9代・狩野永岳
2023/8/2
狩野永岳「白鳳白雉図」東寺蔵 桃山時代から続く京狩野家は、初代山楽、2代山雪、3代永納と活躍したが、次第にその活動は低迷していった。一方で江戸に下った狩野派は、江戸幕府の御用をつとめ、江戸狩野として江 ...
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三熊派の伝統を守って桜の花を描き続けた織田瑟々
2023/7/31
織田瑟々「江戸法来寺桜図」板橋区立美術館蔵の 織田瑟々(1779-1832)は、近江国神崎郡御園村川合寺(現在の東近江市川合寺)に、津田貞秀の長女として生まれた。津田家の先祖は織田信長の九男信貞にはじ ...
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名古屋にいち早く写実的な描写を伝えた張月樵
2023/7/28
張月樵「長春孔雀図」滋賀県立琵琶湖文化館蔵 張月樵(1765or1772-1832)は、彦根城下の表具師・総兵衛の子として生まれた。幼いころから画を好み、同郷の市川君圭に学び、その後京都に出て与謝蕪村 ...
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伊藤若冲の贋作を制作して名声を失った市川君圭
2023/7/19
市川君圭「孔雀牡丹図」 市川君圭(1736-1803)は、坂田郡醒井村大字醒井(現在の米原市)に生まれた。醒井は中山道の宿場があった宿場町で、加茂神社境内から湧き出る名水「居醒の清水」でも知られている ...
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その半生を花鳥画の制作と鳥類の生態研究にささげ、本格的な鳥類画集『鳥類写生図譜』を刊行した土岡春郊
2023/6/14
土岡春郊『鳥類写生図譜』より「かうらいうぐひす」 福井県王子保村(現在の越前市)に生まれた土岡春郊(1891-1959)は、武生中学時代から画才を認められ、中学卒業後は東京美術学校日本画科に進学し、結 ...
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祖父・父を加えて「内海三代」と称された内海吉堂
2023/5/26
内海吉堂「芙蓉白鷺・桃華双鴨図」 越前敦賀に生まれた内海吉堂(1849-1925)は、幼いころに近江に移り、医師・小菅兎峯のもとに身を寄せて漢詩を学んだ。その後京都に出て四条派の塩川文麟に画を学び、京 ...
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江戸後期の越前敦賀における円山四条派の画人
2023/5/17
内海元孝「花卉図襖」(部分)敦賀市立博物館蔵 越前敦賀は、地理的にも京都に近いことから多くの画人が京都に出て学んでいる。江戸後期に活躍した円山四条派の画人としては、若くして京都に出て晩年の円山応挙に学 ...
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画人として大成した福井藩士・島田雪谷
2023/5/12
島田雪谷「桜花群禽図」福井市立郷土歴史博物館蔵 島田雪谷(1828-1884)は、はじめ岩尾雪峯に四条派を学び、のちに同派の横山清暉に師事した。前藩主の松平慶永と藩主の茂昭に画家としての才能を認められ ...
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町絵師として画名が高かった早瀬蘭川・来山父子
2023/5/10
早瀬来山「花鳥図屏風」 越前で画名が高かった町絵師としては、早瀬蘭川・来山父子がいる。早瀬蘭川(1777-1837)は福井城下神明町に生まれ、京都に出て原在中に師事し、美人画で評判を得た。子の来山は、 ...
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越前若狭で活躍した小栗宗湛を祖とする小栗派
2023/4/17
〔参考図版〕芸愛「四季花鳥図屏風」(部分)京都国立博物館蔵 越前曾我派が一乗谷及び北庄城下で水墨画の世界を展開していた頃、若狭では、曾我派初代の墨溪と同じく京都で周文に学んだ小栗宗湛(1413-148 ...
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自然万象を師として独学し、21歳で文展に入選して注目された相川松瑞
2023/2/22
相川松瑞「春景花鳥図」 相川松瑞(1894-1969)は、木彫家・相川松濤の二男として金沢市に生まれ、幼いころから画に親しみ、石川県立工業学校図案絵画科に入学したが、やがて中退し、自然万象を師として自 ...
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東京美術学校卒業後は帰郷し生涯の大半を石川での美術教育にささげた安井雪光
2023/1/27
安井雪光「ちゃぼ」東京藝術大学蔵 安井雪光(1887-1952)は、金沢市本多町に生まれ、石川県立工業学校図案絵画科を卒業後、東京美術学校日本画科に進学した。同校卒業後は、岡山市の小学校に赴任して大正 ...
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画家の家系に生まれ、明治・大正期の石川日本画壇で重鎮として活躍した中浜松香
2023/1/13
中浜松香「花鳥図」二曲一双のうち右隻 中浜松香「花鳥図」二曲一双のうち左隻 中浜松香(1857-1921)は、祖父が中浜鶴汀で、父が中浜龍淵という画家の家系に生まれ、幼いころから画を好み、家代々の画風 ...
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鈴木派四天王随一と称された梶野玄山
2023/1/11
梶野玄山「番孔雀図」 梶野玄山(1868-1939)は、加賀国石川郡松任町(現在の白山市)に生まれ、3歳の時に父を、5歳の時に母を亡くし、幼年期から祖父母に引き取られて養育された。祖父の喜右衛門は金沢 ...