画人伝・滋賀

文展を離れ日本自由画壇の結成に参加した渡辺公観

2023/10/6  

渡辺公観「柳鷺図」滋賀県立美術館蔵 渡辺公観(1877-1938)は、大津鍵屋町(現在の大津市)に生まれた。父親は円満院門跡の侍医をつとめていた。円満院門跡は当時、大津における文化人の後援者的存在だっ ...

滋賀県美術作家協会の初代理事長をつとめた疋田春湖

2023/10/4  

疋田春湖「月ケ瀬」滋賀県立美術館蔵 疋田春湖(1891-1961)は、滋賀県膳所町(現在の大津市)に膳所藩士の子として生まれた。幼いころから画を好み、小学校卒業後、ちょうど京都から大津に移り住んでいた ...

春挙に学び師風とは異なる多様な作品を残した柴田晩葉

2023/10/2  

柴田晩葉「江州盆踊」 柴田晩葉(1885~1942)は、滋賀県大津市新町に生まれた。父の孟教は、江戸の昌平坂学問所に学んだ漢学者で、水野忠弘が朝日山藩に転封された際、藩の儒者として藩主に伴って近江を訪 ...

世界平和を願い各国要人に富士の絵を贈った山元桜月

2023/9/29  

山元桜月「日枝山より琵琶湖を望む」(部分)滋賀県立美術館蔵 山元桜月(1887-1985)は、滋賀県大津市白玉町(現在の大津市浜町)に生まれた。山元春挙は叔父にあたる。16歳の時に春挙の門に入り「春汀 ...

近江ゆかりの山元春挙の門人

2023/9/27  

斎藤紫山「夏野」滋賀県立美術館蔵 山元春挙は、京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で教鞭をとって多くの教え子を育て、明治33年からは画塾・同攻会(のちに早苗会と改称)を結成して後進の指導にあたっ ...

明治・大正期の京都画壇の重鎮として活躍した山元春挙

2023/9/25  

山元春挙「しぐれ来る瀞峡」滋賀県立美術館蔵 旧膳所城下(滋賀県大津市)に生まれた山元春挙(1871-1933)は、小学校卒業後、大島一雄に漢詩文を学び、12歳の時に近江出身で四条派の野村文挙に師事して ...

風景画を追究した湖東の自然画家・邨松雲外

2023/9/8  

邨松雲外「海浜図」(部分)ツカモト資料館蔵 邨松雲外(1870-1938)は、滋賀県愛知郡小田苅村(現在の東近江市)に生まれた。13歳の時に神崎郡川並村の塚本家に奉公に出たが、生来画を描くことが好きで ...

湖北に多くの作品を残した浅井の画人・清水節堂

2023/9/6  

清水節堂「幽霊図」清瀧寺徳源院蔵 清水節堂(1876-1951)は、浅井郡大路村(現在の長浜市大路町)に生まれた。12歳の時に隣村の中川耕斎に師事し、耕斎のもとで数年間学んだのち一時京都に出たが、21 ...

湖北で農作業をしながら画を描いた片山雅洲

2023/9/4  

片山雅洲「菊慈童図」布施美術館蔵 片山雅洲(1872-1942)は、伊香郡藤西物部村(現在の滋賀県長浜市)の農家の長男として生まれた。高等小学校卒業後、昼は農作業に汗を流し、夜は浮世草紙を読み、葛飾北 ...

大津栄泉寺書院に画室を持った長谷川玉純

2023/9/1  

長谷川玉純「羅浮梅仙女図」滋賀県立美術館蔵 長谷川玉純(1863-1920)は、四条派の画人・長谷川玉峰の長男として京都に生まれた。弟も画家で、雅号を「玉粋」といった。兄弟の雅号は「純粋」の語を1字ず ...

大阪画壇を代表する画家として活躍した深田直城

2023/8/30  

深田直城「紫式部調書之図」(部分) 深田直城(1861-1947)は、近江国膳所(現在の大津市)城下に生まれ、京都に出て四条派の森川曽文に師事した。曽文門下では三宅呉暁と双璧とされたという。明治15年 ...

写生を基調とした近代的風景画を追究した野村文挙

2023/8/28  

野村文挙「芳野春暁図」滋賀県立美術館蔵 野村文挙(1854-1911)は、近江商人の子として京都に生まれた。14歳の時に浮世絵師・梅川東挙の門に入ったが、2年後に師の東挙が没したため四条派の塩川文麟に ...

終生彦根で活動した四条派の大橋文岱

2023/8/25  

大橋文岱「楼閣山水人物図」 大橋文岱(1846-1937)は、はじめ彦根の狩野素雪について学び、のちに京都に出て四条派の内海元紀、塩川文麟に学んだ。文麟のもとでは仕事にも恵まれ、御所の仕事もつとめてい ...

岸派に学び郷里長浜の地域発展にも貢献した中川耕斎

2023/8/23  

中川耕斎「呉二喬読兵書之図」 中川耕斎(1838-1922)は、近江国坂田郡乾村(現在の滋賀県長浜市山階町)に生まれた。幼いころから画を好み、隣村川崎村の僧・淡崖に画の手ほどきを受け、梅塘と号した。2 ...

近代京都画壇の黎明期に活躍した岸派四代・岸竹堂

2023/8/21  

岸竹堂「虎図」滋賀県立美術館蔵 岸竹堂(1826-1897)は、彦根藩士の家に生まれ、11歳から地元の狩野派・中島安泰(不明-不明)に画を学んだ。その後、師の安泰から京都でよい師を求めるよう勧められ、 ...

松村景文門下随一の技量とうたわれた長谷川玉峰

2023/8/18  

長谷川玉峰「老松孔雀図」 長谷川玉峰(1822-1879)は、画家の長谷川玄門の子として京都に生まれ、四条派の松村景文に師事した。師の景文は、四条派の祖である松村呉春の弟で、玉峰は景文にとって晩年の弟 ...




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