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江戸時代を中心に明治中頃くらいまでに活動していた各地の画家を調査し、都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

湖国が生んだ桃山時代を代表する武人画家・海北友松

2023/7/3  

海北友松(1533-1615)は、近江国(現在の滋賀県)坂田郡の武士の家に生まれた。父の海北綱親は近江浅井家の重臣六家の一人で、浅井長政の祖父・亮政以来「家中第一の剛の者」とうたわれた猛者で、浅井長政 ...

一貫して「松」を作画活動の中心においた新道繁

2023/6/26  

新道繁(1907-1981)は、福井県板井郡(現在の坂井市)に生まれた。東京府工芸学校在学中から水彩画に親しみ、大正14年の第6回帝展で初入選し、その後も帝展、新文展に出品した。また、光風会にも出品し ...

昭和初期のプロレタリア美術運動の流れのなかで労働者を描いて高い評価を得た堀田清治

2023/6/23  

堀田清治(1898-1984)は、福井市に生まれ、中学卒業後に上京し、太平洋美術研究所で高間惣七に師事した。大正13年の第1回展から槐樹社に出品し、昭和6年に同会が解散するまで出品し、槐樹社賞を3回受 ...

大正期新興美術運動の中心人物として活動したが、三科展瓦解後は絵画制作から離れた木下秀一郎

2023/6/21  

木下秀一郎(1896-1991)は、日本医学専門学校(現在の日本医科大学)で医学を学んでいたが、在学中から絵画制作を行い、大正9年に結成された大正期新興美術運動の始まりとされる「未来派美術協会」の第1 ...

「日本的フォーヴ」と呼ばれた表現様式を展開した画家のひとりとして、淡泊な味わいを持つ独自の画境を開拓した鈴木千久馬

2023/6/19  

鈴木千久馬(1894-1980)は、福井市に生まれ、旧制福井中学3年の時に一家で上京した。東京では黒田清輝が主宰する葵橋洋画研究所で学び、その後東京美術学校西洋画科に入学し、藤島武二に師事した。同期に ...

大平広正ら福井の初期洋画家・図画教師

2023/6/16  

大平広正(1858-1901)は、鯖江藩出口村(現在の鯖江市)に生まれ、中学卒業後は師範学校の図画教師をしていたが、画を学ぶために上京、本多錦吉郎の主宰する洋画塾「彰技堂」で本格的に西洋画を学んだ。そ ...

その半生を花鳥画の制作と鳥類の生態研究にささげ、本格的な鳥類画集『鳥類写生図譜』を刊行した土岡春郊

2023/6/14  

福井県王子保村(現在の越前市)に生まれた土岡春郊(1891-1959)は、武生中学時代から画才を認められ、中学卒業後は東京美術学校日本画科に進学し、結城素明、小泉勝爾に師事した。大正5年の同校卒業後は ...

截金仏画の追究と完成に生涯をささげた田中墨外

2023/6/12  

田中墨外(1877-1957)は、福井県小浜市に生まれた。12、3歳の時に上京して神田に住み、20歳頃から橋本雅邦に師事して画を学んだ。雅邦没後は、当時絶滅の危機に瀕していた截金の技術を復活させ、截金 ...

歴史人物画に優品を残した島田墨仙

2024/12/11  

島田墨仙(1867-1943)は、福井藩士で画人でもあった島田雪谷の二男として福井城下に生まれた。9歳頃から父雪谷について四条派を学び、父の没後は独学していたが、28歳の時に上京して橋本雅邦に師事した ...

教育者や本草学者としても知られた岡不崩

2023/6/7  

岡不崩(1869-1940)は、越前大野藩士の長男として福井県大野町(現在の大野市)に生まれた。幼いころに両親を亡くし、祖母の弟をたよって上京、その後狩野友信や狩野芳崖(参考)に師事し、芳崖の門下生と ...

狩野芳崖門下の四天王のひとりに数えられた岡倉秋水

2023/6/5  

岡倉秋水(1867-不明)は、福井藩士の子として福井城下に生まれた。岡倉天心は叔父にあたる。幼いころに一家で上京して東京で育ち、明治11年に東京外国語学校に入学してフランス語を学んでいたが、画家を志す ...

福井の奇祭「馬威し」の絵で知られた菱川師福

2023/6/2  

江戸時代半ばから福井城下で行われていた「馬威し」(または左義長馬)は、左義長に関連する小正月の行事で、旧暦の正月14日、馬に乗って桜門から城外に向けて疾走する武士たちを、町民・農民たちが鳴り物や旗で馬 ...

一世紀以上にわたり受け継がれた「夢楽洞万司」

2023/5/31  

「夢楽洞万司」は、一世紀以上にわたって受け継がれた絵師の雅号で、代々越前を中心に北陸地方で活躍した。明和から寛政期に活動した初代万司の万屋曽兵(または大岡曽平)は、好んで「万司(大)お仙人」の号を用い ...

日本南画協会の結成に参加した河村虹外

2024/12/16  

若狭小浜に生まれた河村虹外(1861-1932)は、南画家の重春塘に師事し京都に住んだ。明治29年には、師の春塘とともに日本南画協会の結成に参加した。酒を愛して逸事が多かったと伝わっている。 明治29 ...

祖父・父を加えて「内海三代」と称された内海吉堂

2023/5/26  

越前敦賀に生まれた内海吉堂(1849-1925)は、幼いころに近江に移り、医師・小菅兎峯のもとに身を寄せて漢詩を学んだ。その後京都に出て四条派の塩川文麟に画を学び、京都を中心に活躍した。祖父の内海元孝 ...

伊藤若冲に学び梅図を得意とした画僧・維明周奎

2023/5/24  

維明周奎(1731-1808)は、若狭高浜に生まれ、幼くして京都の相国寺に出家入堂し、のちに相国寺第115世をつとめた臨済宗の僧で、画人としても知られた。寺務のかたわら伊藤若冲に画法を学び、さらに中国 ...