画人伝・滋賀

名古屋にいち早く写実的な描写を伝えた張月樵

2023/7/28  

張月樵「長春孔雀図」滋賀県立琵琶湖文化館蔵 張月樵(1765or1772-1832)は、彦根城下の表具師・総兵衛の子として生まれた。幼いころから画を好み、同郷の市川君圭に学び、その後京都に出て与謝蕪村 ...

湖北・長浜に京都の文化的香りを伝えた山縣岐鳳

2023/7/26  

山縣岐鳳「若江合戦図」彦根城博物館蔵 山縣岐鳳(1776-1847)は、京狩野の画人・山縣頼章の子として京都に生まれた。父の頼章は伏見宮家の邦頼親王に仕えていたが、天明8年の天明の大火を機に一家で京都 ...

放浪に生きたもうひとりの近江蕪村・横井金谷

2023/7/24  

横井金谷「蜀道積雪図」大津市歴史博物館蔵 放浪の画人で「近江蕪村」と称された浄土宗の僧・横井金谷(1761-1832)の生涯を知るうえで参考になるのが、金谷が自ら著した『金谷上人御一代記』である。同書 ...

与謝蕪村に師事し「近江蕪村」と称された紀楳亭

2023/7/21  

紀楳亭「蓬莱群仙図」滋賀県立美術館蔵 大津で「九老さん」と親しみを込めて呼ばれている画人・紀楳亭(1734-1810)は、山城の鳥羽に生まれ、与謝蕪村に画と俳諧を学んで京都で活動していたが、天明8年の ...

伊藤若冲の贋作を制作して名声を失った市川君圭

2023/7/19  

市川君圭「孔雀牡丹図」 市川君圭(1736-1803)は、坂田郡醒井村大字醒井(現在の米原市)に生まれた。醒井は中山道の宿場があった宿場町で、加茂神社境内から湧き出る名水「居醒の清水」でも知られている ...

高田敬輔に学び風俗画家として大成した月岡雪鼎

2023/10/3  

月岡雪鼎「唐美人画」奈良県立美術館蔵 月岡雪鼎(1710-1787)は、滋賀県蒲生郡大谷村(現在の日野町大谷)に生まれた。本姓は木田といい、号は信天翁、露仁斎などたくさんあるが、雪鼎がもっとも知られて ...

近江日野の信楽院に多くの作品を残した高田敬輔

2023/7/14  

高田敬輔「信楽院天井画」(部分) 高田敬輔(1674-1755)は、近江日野(現在の滋賀県蒲生郡日野大窪町杉野神)に生まれた。祖先は藤原氏の出自で、永禄年間に高田姓となり、織田信長に従って尾張にいたが ...

14代にわたり彦根藩主をつとめた井伊家の画人

2023/7/12  

井伊直幸(英)「馬図」 井伊家は、初代直政から最後となった17代藩主直憲まで14代にわたり彦根藩主をつとめたが、そのなかで画を嗜み、作品を残している藩主としては、6代藩主直恒、9代藩主直惟、13代藩主 ...

六芸に通じた才人で蕉門十哲に数えられた森川許六

2023/7/10  

伝・森川許六「牡丹唐獅子図」(部分) 江戸時代の早い時期に活躍した彦根の画人としては、森川許六(1656-1715)がいる。許六は彦根藩士の子として彦根城下に生まれ、若いころから漢詩を学び、画は江戸の ...

近世初期風俗画を代表する傑作・彦根屏風

2023/7/7  

彦根屏風(左隻) 彦根屏風(右隻) 「彦根屏風」は、代々彦根藩主だった井伊家に伝来したことからこの名がある。江戸時代の寛永年間(1624-1644)の制作と考えられており、注文主は明らかになっていない ...




© 2024 UAG美術家研究所 Powered by AFFINGER5