南画・文人画家

但馬城崎温泉に生まれ諸国の景勝地を訪ねた斎藤畸庵

2024/1/26  

斎藤畸庵「水墨山水」 但馬国城崎温泉の旅館「伊勢屋」の長男として生まれた斎藤畸庵(1805-1883)は、幼少時に父を亡くし、耳を悪くするなかで早くから詩文に親しみ、15歳の時に京都に出て中林竹洞に南 ...

山本梅逸晩年の有力な門人・青根九江

2023/8/11  

青根九江「花鳥図」 青根九江(1804-1854)は、彦根城下の下魚屋町(現在の彦根市城町)で藩主御用の茶屋を営む富商の子として生まれた。分家して山城屋と称して本家の向かいに住んでいたという。いつ頃京 ...

彦根藩の終焉まで御用をつとめた佐竹永海

2023/8/9  

佐竹永海「西園雅集図」彦根城博物館蔵 代々彦根藩主をつとめた井伊家に仕えた絵師については、その全貌はよくわかっていない。江戸の中橋狩野家をはじめ、狩野派の系統の絵師が召し抱えられていたとみられるが、新 ...

名古屋にいち早く写実的な描写を伝えた張月樵

2023/7/28  

張月樵「長春孔雀図」滋賀県立琵琶湖文化館蔵 張月樵(1765or1772-1832)は、彦根城下の表具師・総兵衛の子として生まれた。幼いころから画を好み、同郷の市川君圭に学び、その後京都に出て与謝蕪村 ...

放浪に生きたもうひとりの近江蕪村・横井金谷

2023/7/24  

横井金谷「蜀道積雪図」大津市歴史博物館蔵 放浪の画人で「近江蕪村」と称された浄土宗の僧・横井金谷(1761-1832)の生涯を知るうえで参考になるのが、金谷が自ら著した『金谷上人御一代記』である。同書 ...

与謝蕪村に師事し「近江蕪村」と称された紀楳亭

2023/7/21  

紀楳亭「蓬莱群仙図」滋賀県立美術館蔵 大津で「九老さん」と親しみを込めて呼ばれている画人・紀楳亭(1734-1810)は、山城の鳥羽に生まれ、与謝蕪村に画と俳諧を学んで京都で活動していたが、天明8年の ...

日本南画協会の結成に参加した河村虹外

2023/5/29  

河村虹外「雪景独釣図」 若狭小浜に生まれた河村虹外(1861-1932)は、南画家の重春塘に師事し京都に住んだ。明治29年には、師の春塘とともに日本南画協会の結成に参加した。酒を愛して逸事が多かったと ...

祖父・父を加えて「内海三代」と称された内海吉堂

2023/5/26  

内海吉堂「芙蓉白鷺・桃華双鴨図」 越前敦賀に生まれた内海吉堂(1849-1925)は、幼いころに近江に移り、医師・小菅兎峯のもとに身を寄せて漢詩を学んだ。その後京都に出て四条派の塩川文麟に画を学び、京 ...

岡部南嶽、川地柯亭ら江戸期の福井、鯖江の南画家

2023/5/19  

川地柯亭「夏景山水図」福井市立郷土歴史博物館蔵 福井藩の家老職にあった岡部南嶽(1733-1800)は、藩の御用絵師をつとめていた狩野派の絵画に飽き足らず、福井狩野家を厳しく批判し、当時勃興期にあった ...

金沢最後の文人墨客と呼ばれた小松砂丘

2023/3/10  

小松砂丘「白山山麓風景図」 小松砂丘(1896-1975)は、金沢市に生まれ、13歳で木地挽物師に徒弟奉公し、木地職人として挽物業に従事するかたわら、俳諧に親しみ、さらに、俳画、日本画、焼物、篆刻など ...

画家の家系に生まれ、明治・大正期の石川日本画壇で重鎮として活躍した中浜松香

2023/1/13  

中浜松香「花鳥図」二曲一双のうち右隻 中浜松香「花鳥図」二曲一双のうち左隻 中浜松香(1857-1921)は、祖父が中浜鶴汀で、父が中浜龍淵という画家の家系に生まれ、幼いころから画を好み、家代々の画風 ...

岡田静山ら加賀の近世南画家

2022/12/21  

岡田静山「花鳥図」真宗大谷派金沢別院蔵 加賀の近世南画家としては、江戸時代中期に加賀藩の計史・深山台州や医師の津田菜窠らが独自の南画を描き、江戸時代中期から後期にかけては、鶴来出身で今枝家の儒者・金子 ...

藩政の改革につとめた加賀藩士・寺島応養

2022/12/19  

寺島応養「漁楽図」 寺島応養(1777-1837)は、通称を蔵人といい、高岡町奉行、定検地奉行、改作奉行、大坂借財仕法主付など藩の諸役を歴任し、第11代藩主・前田斉広の重用を受けて藩政の改革につとめた ...

大雅風を追究し「能登の大雅堂」と呼ばれた池野観了

2022/12/16  

池野観了「蘭亭曲水図」志賀町恩敬寺蔵 池野観了(1753-1830)は、能登国羽咋郡赤住村(現在の志賀町赤住)の真宗大谷派恩敬寺住職の子として生まれた。幼いころから仏典に親しみ、成人してから伊勢の西弘 ...

桜画を専門に描いた三熊派の祖・三熊花顛

2023/3/27  

三熊花顛「八重山桜図」六如慈周賛 江戸時代中期の京都において、桜の絵を専門に描く画家たちがいた。その始祖は、『近世畸人伝』の発案者として知られる三熊花顛(1730-1794)で、花顛は、桜の品種や銘木 ...

書家、篆刻家としても高く評価された谷聴泉

2022/9/12  

谷聴泉「庄川峡」 谷聴泉(1898-1939)は、富山県東砺波郡城端町(現在の南砺市)に生まれ、14歳の時に東京に出て石井林響に画を、中村不折に書を学んだ。書は、若いころから金沢の常福寺住職の北方心泉 ...




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