祇園南海とその時代
祇園南海とその時代 |
和歌山市立博物館外観
展覧会内容(図録序文より抜粋)
江戸時代の中ほどに差しかかると、太平の世に慣れ親しんだ人々は、教養を重んじるようになりました。漢詩を吟じ、和歌を詠み、物語を愛読しました。
そのような教養ある人々は、既成の絵画に飽き足らず、中国の南宗画を範として、自らの文学作品を絵画としてビジュアル化しようとします。それが文人画です。
わが国の文人画の始祖と讃えられているのは、紀州藩お抱え医師の子として生まれた祇園南海です。
(中略)
南海は、詩文だけにとどまらず、そのビジュアル化のために、多くの文人画を残しました。それは、単なる南海の嗜好によるものではなく、
時代が南海に文人画を描かせたといえるでしょう。本展覧会は、祇園南海の作品と関係資料を一堂に集め、南海が文人画を描いた時代背景を探ります。