江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

故郷姫路の風物やそこで暮らす人々を画面いっぱいに描いて異彩を放った丸投三代吉

丸投三代吉「鄙歌」姫路市立美術館蔵

丸投三代吉(1911-1991)は、兵庫県飾磨郡広村ノ内広畑(現在の姫路市広畑区)に生まれた。小学校時代に近所の画家に画の手ほどきを受け、卒業後に画家を志したが叶わず、農業を手伝うかたわら美人画、肖像画などを描いて生計を立てた。

昭和18年召集され、シベリア抑留を経て昭和22年帰国した。その後は、播磨美術展、姫路市展などに出品を続け、昭和33年、48歳の時に日本美術院展に初入選を果たし、以後同展に出品した。昭和39年からは小松均主宰の甲辰会に入り、昭和54年日本美術院特待となった。

故郷の風物やそこで暮らす人々を画面いっぱいに描き、そのエネルギッシュな作品はしばしば話題となり、ニューヨーク近代美術館での「今日の世界美術展」など海外でも紹介された。

丸投三代吉(1911-1991)まるなげ・みよきち
明治44年兵庫県飾磨郡広村ノ内広畑(現在の姫路市広畑区)生まれ。貧困のなか画を学び、美人画や肖像画などを描いて生計を立てた。昭和18年応召し、シベリア抑留を経て昭和22年帰国。昭和33年第43回日本美術院展で初入選し、以後同展を中心に活動し、昭和37年院友、昭和54年特待となった。昭和49年姫路市文化賞を受賞。平成3年、80歳で死去した。

兵庫(65)-画人伝・INDEX

文献:兵庫ゆかりの日本画家たち展、丸投三代吉展、コレクションでたどる姫路市立美術館の25年、兵庫の絵画100年展