江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

上方浮世絵中期全体にわたって活躍した丸丈斎国広

丸丈斎国広「頼政鵺物語」

丸丈斎国広(不明-不明)は、文化から天保年間にかけて作画し、上方浮世絵中期全体にわたって活躍した。江戸の初代歌川豊国(参考)の門人だったと思われるが、画風は江戸の浮世絵というよりも、上方独特の粘り強い筆致で役者をとらえ、時代の好みに合わせて画風を変化させていった。

作品の大部分を天満屋から刊行し、天満屋国広と呼ばれていたことから版元の天満屋喜兵衛と同一人物かと疑問がもたれている。上方浮世絵師としては多くの作品を残しており、春好斎北洲に匹敵する力量と評価されている。

丸丈斎国広(不明-不明)がんじょうさい・くにひろ
大坂の人。初代歌川豊国の門人と思われる。瀧川、歌川を名乗り、三昇亭、江南亭、天満屋などと称した。活躍期は文化から天保頃。女形の作に佳作が多い。作品の大部分を天満屋から刊行し、天満屋国広と呼ばれた。美人画には、江戸から京都へと移り上方浮世絵師として美人画を描いた春川五七(参考)の影響がうかがえる。

大阪(62)-画人伝・INDEX

文献:近世大阪画壇、近世の大坂画壇、上方の浮世絵-大坂・京都の粋と技