佐藤保大（二代魚大）「狐行列」
佐藤魚大（不明-不明）は大坂の人で、呉春に学んで一家を成し、山水人物を得意とした。子にはともに画人の保大と守大がおり、保大は父の号を継いで二代魚大となり、明治期にも活躍した。守大はその弟とみられ、父兄とともに長堀三休橋南に住んでいた。また、初代魚大と同時期に呉春に学んだ大坂の人に松本観山（不明-不明）がいる。
佐藤魚大（不明-不明）さとう・ぎょだい
大坂の人。名は益之、または魚大。字は士朗（一説に広年）。号は水石。呉春に学んで一家を成し山水人物を描いた。文化年間から画名が知られ、天保８年までの活動が伝えられている。文化頃は塩町、文政頃は過書町、天保頃は長堀三休橋南に住んでいた。色摺版本『水石画譜』を著した。子に画人の保大、守大がおり、保大が魚大の号を継いで２代となった。
佐藤保大（不明-不明）さとう・ほだい（ほうだい）
大坂の人。佐藤魚大の子。父の号「魚大」を継いで２代となった。名は保大、字は泰。号は花声。弘化から安政にかけて画名があった。安政５年の浪華春秋今書画展に「倭美人図」を出品している。「亀蓬莱図」など吉祥の主題や「百老図」などの人物画、芦雪写しの作品などが残っている。
佐藤守大（不明-不明）さとう・しゅだい
大坂の人。佐藤魚大の子。保大の弟と推測されているが詳細は不明。名は守大、字は和。号は松山。弘化頃に画名が広がっていた。風景人物を得意としたが、残っている作品は少ない。
松本観山（不明-不明）まつもと・かんざん
大坂の人。名は春清、または春成。字は子朗。号は観山。呉春に学んで山水人物を得意とした。文化７年の芦雪追薦書画展に「雨中荷花図」を出品している。文化４年の『画人組』に登場いて以降、弘化２年までの在世は確認できるが、詳しい経歴は不詳。住所は高麗橋または今橋、北浜一丁目。
大阪(15)－画人伝・INDEX
文献：絵草紙に見る近世大坂の画家、近世大阪画壇、サロン!雅と俗:京の大家と知られざる大坂画壇、近世の大阪画人