江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

周文の画風を学んだとみられる武人画家・土岐富景

土岐富景「鷹図」

戦国時代の美濃では、城主・土岐氏の一族から数人の武人画家が出ている。土岐富景(不明-不明)もその一人だが、土岐氏の一族であるということ以外の伝記は不明である。美濃守を称したことは落款から知られているが、富景の名は土岐氏の系統図に見当たらない。

武人画家はよく鷹を描いているが、特に土岐家の鷹は有名で、なかでも掲載の「鷹図」は、宋元の院体画を彷彿とさせる気品のある描写であるとも評されている。

土岐富景(不明-不明)とき・とみかげ
戦国時代の武人画家。美濃守。周文の画風を学んだという。鷹の絵を得意とした。『本朝画史』には「その鷹の鋭さ、猛々しさは、まことにいかめしく、畏敬すべきものがある」と記されている。

京都(32)-画人伝・INDEX

文献:本朝画史、原色日本の美術11