江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

上山藩の御用絵師・丸野清耕

丸野清耕「山羊図」

丸野清耕は、村山郡楯岡町(現在の村山市)の最上山浄覚寺の三男として生まれ、幼いころから画を好み、のちに江戸に出て中橋狩野家の十四代狩野邦信の門に入り、狩野派の画法を学んだ。帰郷後は、狩野清耕と号して活動していたが、上山の同宗の法円寺に寄寓中に上山藩士丸野家の婿養子となり、丸野清耕と称して上山藩の御用絵師となった。

上山市指定文化財・法円寺本堂の欄間彫刻の下絵「鯉の滝上り図」、最上町指定文化財・最上町富沢の馬頭観音堂に奉納されている「ガマ仙人術くらべ図」など、人物、竜虎図が多く、特に鷹図を得意とした。門人からは青山永耕が出ている。

丸野清耕(1784-1843)まるの・せいこう
天明4年楯岡生まれ。上山藩御用絵師。浄土真宗本願寺派浄覚寺第八代住職了照の三男。江戸に上り狩野派を学び、帰郷後に上山藩士丸野家の婿養子となった。彩色画がすぐれており、天保14年、画業研鑽のため越後三条に遊歴中病を得て、同年、59歳で死去した。

山形(20)-画人伝・INDEX

文献:村山の歴史、天童美術の流れ展、武田喜八郎著作集巻2