単庵智伝「鷺図」東京国立博物館蔵
単庵智伝(不明-不明)については、長谷川等伯著『等伯画説』の記述が唯一の手掛かりで、それによると、尼崎の器物の下絵付師の出身で、相阿弥に望まれて弟子になったとされ、相阿弥のもとへ修行に出る時、絵の手本を入れるため長櫃を親に所望したという。職人気質で名人肌の人物だったが、喧嘩沙汰で若死にしたと伝わっている。
作品としては、掲載の2点の鷺図のほか、慈芳院蔵「龍虎図屏風」、個人蔵「梅花小禽図」「遠寺晩鐘図」などが残っている。
単庵智伝「鷺鶿図」ボストン美術館蔵
単庵智伝(不明-不明)たんあん・ちでん
室町後期の画家。相阿弥に学び、16世紀の初めに活躍したが、喧嘩で若死にしたと伝わっている。
京都(30)-画人伝・INDEX
文献:原色日本の美術11、原色日本の美術27