江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

周文の弟子のひとりとされる天遊松谿

天遊松谿「湖山小景図」(部分)重文 京都国立博物館蔵

天遊松谿(不明-不明)は、周文の弟子のひとりで、永享頃に活躍したという以外の伝歴は不明である。周文の弟子には俗人も含まれていたことから、禅僧だったかどうかも定かではない。「天遊」と「松谿」は2つとも号とみられ、同一作品に押されている場合があり、天遊松谿という一人の作家の存在が明らかになった。

遺作には布袋図や寒山拾得図などの人物画も含まれるが、最も得意としたのは山水画だったと思われる。掲載の「湖山小景図」は、以前は伝周文画のひとつだったが、右下隅の印「天遊」から、天遊松谿の作品と判明した。

天遊松谿(不明-不明)てんゆう・しょうけい
室町時代中期の画人。『本朝画史』では「巧みに墨画の観音像を描いており、牧谿を学んでいる。宅間の流れを引くともいわれている」としているが、宅磨派との関係は不明。

京都(23)-画人伝・INDEX

文献:日本美術全集9、原色日本の美術11、原色日本の美術27