江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

狂画をもって知られた福井藩の居合術師範・高畠夢蝶

「福井藩十二カ月年中行事絵巻」7月 福井市立郷土歴史博物館蔵

高畠夢蝶(不明-不明)は、江戸後期の福井藩士で、福井藩の居合い師範の家に生まれた。藩の居合術師範をつとめるかたわら諸芸をよくし、なかでも狂画をもって知られた。文化12年に福井藩士の井上翼章によって著された「越前国名蹟考」の挿絵を描いている。

掲載の「福井藩十二カ月年中行事絵巻」は、江戸時代における福井藩内の行事と風物を、各々12カ月を1巻に描いた作品で、筆者は不詳だが、夢蝶が描いた「越前国名蹟考」の挿絵の一部と図様・筆致ともに近似していることから、夢蝶により描かれた可能性が高いとされている。

高畠夢蝶(不明-不明)たかばたけ・むちょう
福井藩居合術師範。名は信喬、通称は甚五左衛門。別号に悟則斎がある。天明7年家督を相続し、また文化元年に高畑を高畠に改めた。

福井(14)-画人伝・INDEX

文献:桃山の色 江戸の彩 福井ゆかりの近世絵画、越前人物志(上)