江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

蔀関月に学び風俗人物画を得意とした丹羽桃渓

丹羽桃渓「住吉汐干狩図(玉東・関玉合筆)」

丹羽桃渓(1760-1822)は、蔀関月に画を学び、風俗人物画を得意とした。また、版刻の精細な挿絵も多く手掛けた。享和2年版の『浪華なまり』には流行画人の一人として挙げられており、画名は高かったと思われる。

木村蒹葭堂とも交流があり、十三回忌書画展には墨梅図を出品している。一方で、画業のかたわら狂歌を好んで鉄格子波丸の門人となり遅道と号した。画の門人に松川半山、菅松峰らがいる。

丹羽桃渓(1760-1822)にわ・とうけい
宝暦10年生まれ。大坂の人。名は元国、字は伯照、俗称は大黒屋喜兵衛。別号に靖中庵、遅道がある。蔀関月の門人で風俗人物画を得意とし、版刻挿絵も多数手掛けた。著書に『紙漉重宝記』『河内名所図会』『絵本道の手引』『本朝名家画譜』などがある。文政5年、63歳で死去した。コレラにかかって急死した可能性が高い。

菅松峰(1790-1851)すが・しょうほう
寛政2年生まれ。名は伯太。丹羽桃渓の門人で花卉を多く描いた。挿花の技にも長じ、松真斎と号したという。嘉永4年、62歳え死去した。

大阪(46)-画人伝・INDEX

文献:絵草紙に見る近世大坂の画家、近世大阪画壇、サロン!雅と俗:京の大家と知られざる大坂画壇、近世の大阪画人