江戸時代を中心に全国各地で活動していた画家を調査して都道府県別に紹介しています。ただいま近畿地方を探索中。

UAG美術家研究所

にこやかな中年婦人を描き人気を博した松田富喬

松田富喬「朗らかな酔 飲むなら焼酎」ポスター
松田富喬「サッポルビール」ポスター

松田富喬(不明-不明)は、北野恒富に師事し日本画を学んだ。日本画家としては大成しなかったが、師の恒富がポスター分野で人気を博した影響から、1920年代半ばから各種ポスター用図案の懸賞募集に積極的に応募し、その後本格的に図案の道に進んだと思われ、30年代には多くの企業のポスターを手掛けた。

富喬の描く女性は、年齢的には中年が多く、いずれも明るい表情を浮かべていることから親しみやすく、「主婦之友」の表紙を断続的ではあるが7年間に渡って担当し、婦人向け雑誌の裏表紙に掲載される桃谷順天館の化粧品広告を数年間にわたってつとめるなど人気を博した。30年代後半には、大阪市内で松田美術研究所を主宰し、後進の指導にあたったと思われる。

松田富喬(不明-不明)まつだ・とみたか
旧姓は鈴木。本名は喬。北野恒富に師事した。画塾「白耀社」の初期に出品経験がある。師・恒富の影響で、各種ポスター用図案の懸賞募集に積極的に応募し、昭和4年の第2回サンデー毎日表紙画懸賞募集で佳作を受賞。30年代には多くの企業のポスターを手掛けた。「主婦之友」の表紙を断続的ではあるが7年間に渡って担当し、婦人向け雑誌の裏表紙に掲載される桃谷順天館の化粧品広告を数年間にわたってつとめた。大阪市内で松田美術研究所を主宰したと思われる。現存するポスター用原画はすべて絹本で、その印刷者は大日本印刷株式会社あることから、実質的には同社の専属の身分であったと思われる。
→参考:UAG美人画研究室(松田富喬)

大阪(121)-画人伝・INDEX

文献:明治・大正・昭和初期日本ポスター史大図鑑